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ドイツの風 Vol.5 ASMLのイノベーション開発法

LEXER innovation

1980年代「いずれキャノン、ニコンに太刀打ちできず、市場を去る運命」と予告されていたオランダの半導体製造装置メーカーASML社が2010年代に半導体露光装置市場で独占的立場を築きました。スケール効果で勝るマーケットリーダーには勝てないと言う常識を覆したのです。

本投稿では、ASML社にスポットライトを当てて、ASML社の成功の鍵を考えます。そして、特にASML社の研究開発戦略に迫ります。


まとめ

別の投稿【リスクと失敗は勝ち組の条件】では、「チャレンジの失敗を受け入れる」、そして「失敗のコスト管理の徹底」が「勝者の方程式」とご紹介しましたが、本投稿でASMLから学ぶことは「PDCAサイクルを早く回す」が加わります。PDCAを早く回す為に必要な要素の一つは「短期間で実証実験を実施する技術」です。

フロントローデイングの概念を使い、オフラインで準備出来ることは全て事前に用意する。その為にはシステム思考を導入して、実験装置をシステム化する。すなわちアーキテクチャーを導入しシステム構成要素間のインターフェイスを標準化する。そして仮説の検証に必要な要素しかオンラインで製造しない仕組みを組む。

ASMLとアマゾンのジェフ・ベゾスに共通する特徴は、「結果を求める」ことに集中せず「プロセスを最適化する」ことにエネルギーを費やすことです。そして人間の理性をあまり信用していません。「理性を信頼し成功の為に投資する」という概念、または「投資をすれば成功の確率を高められる」と言う概念を持ち合わせていません。

実験をして失敗すると、自分達が築いた仮説の評価が出来、新たな仮説を立てる方向性が実験データから得られる。そして如何に迅速に行動するかで競争力を高めることが出来る。余談になりますが、レクサーのGDfindiは従来考えられなかったレベルのコストとサイクルタイムで生産システムの仮想実験を可能にします。このテーマは別途投稿でご説明いたします。


この記事の詳細は、GD.findi サイト にてご覧いただけます。

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LEXER edited

著者情報

Ando Mahito

中学時代にドイツに渡航。カールスルーエ工科大学にて、機械工学を専攻の後、PhDを取得。卒業後は、シーメンス社やボッシュグループにて、プロジェクトマネジメントおよび経営企画、社内コンサルティングに携わる。
現在では、株式会社レクサー・リサーチ、フラウンホーファー財団IPA研究所と共同開発契約を結び、シミュレーション系最大手エンジニアリング会社と協力関係構築​から生産シミュレータGD.findi のドイツ市場開拓に従事。

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