第17回:部品の必要内製数を決めよう! ~内外製工程による仮想生産をして内製の必要数を求める~

部材や中間製品を自工場内で作製している中で、チョコ停などのトラブル発生により中間製品の生産が計画数に間に合わないことがあった場合、最終製品の目標出荷数を達成するために、中間製品を外注から仕入れることがあります。
または自社の前工程能力と製品生産目標数を考慮した時、一部の部材を自社生産せずに外部から購入するケースもあります。
今回はこのようなケースで、内製した部品を製造する工程と、外注部品を生産する工程を合わせてシミュレーションし、後工程に対して内製すべき部品数はどれくらいか、という課題について検討しましょう。
1. モデルの変更
まず、サンプルモデルを活用して今回の課題の検討を行います。
「サンプルプロジェクト_仕事の構造化発想法_工程プラン立案」を開きます。

このモデルには、 “工程プラン1” (プロセスフロー左側)があり、今回はこれを内製した場合の工程と考えます。
内製した場合の工程プランは以下のようになります。

一方、このモデルには “工程プラン2” (プロセスフロー右側)があり、これを外注で仕入れた中間製品から製造する工程と考えます。なお、このプランには加工工程という外注品に必要な工程が存在します。

また、このモデルでは各工程間を結ぶ、作業者による搬送があります。
この作業者に対する稼働時間を、稼働時間マスタで設定します。

この設定では、 8:00 – 17:00 を 1 日の就業時間とし、その中で 12:10 – 13:00 をお昼休憩、 10:00 と 15:00 にそれぞれ 10 分ずつ小休憩を入れることを想定しています。
2.内製のみを生産したときの結果の検証
修正したモデルでは、内製した場合のプランがデフォルトで設定されています。
まずはこのプランの出来高を見てみましょう。
1 日で 100 個生産を目標としています。

この結果を見ると、 16:47:05 に 100 個生産を達成することが分かります。
3.外注を含めた場合の生産の検証
次に1 日で 100 個生産する目標を達成するために、外注した場合は、どのくらいか見てみましょう。
それぞれの工程プランの所要時間を見ると、本来であれば、全て内製で済ませる工程がベストですが、外注品からの生産が必要になった時の工程能力を検証してみます。
生産レンダリング設定パネルで、目標値を変更したプランを作成します。

この設定でレンダリングをして結果を見てみます。

外注品からの生産では、 1 日 26 個生産ができることが分かりました。
4. 内製:外注数の検討
では、内製品と外注品からの生産をミックスしてシミュレーションをし、 100 個の生産を達成するために外注品がどれくらいかを見てみます。
先ほど外注品のみ生産した場合、最大で 26 個生産できることが分かりましたのでこれを目標としてそれぞれを交互に生産する計画を設定します。

このレンダリング結果を見てみます。

この割合では 1 日 100 個生産を達成できないことが分かります。
ここで、工程プラン1と工程プラン2 の目標数を様々な値に変動させてレンダリングしてみましょう。

ここでは工程プラン1の目標数を 97 個、工程プラン2の目標数を 3 個とした場合、目標数 100 を達成できることが分かりました。
つまり、最低でも内製部材は 97 個が必要となり、これを下回ってしまった場合、外注品でカバーしても目標の100 には届かないため、他の改善案、例えばその日だけ稼働時間を延ばして生産することなどを検討する必要があります。
このように、生産計画を日々の状況に合わせて逐次シミュレーションすることで、生産における問題点を事前に確認し、改善案の検討やその効果が実際の生産に適用できるものかどうかを知ることができます。
日々の生産に応じた柔軟な生産を行うためにも、このような活用方法は有効です。
是非、ご活用ください。
なお、GD.findi に関する詳細は下記ページよりご覧ください。